バッテリーケースの製作

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またまた2ヶ月近く間が空いてしまいました。
ブログ更新もサボってましたが、話はどんどん進んでいます。

12月、イシノラボから帰ってきて早速カスタム(特注)アンプを注文しました。
が、バッテリードライブアンプなので、バッテリーと充電器は自分で調達しなければいけません。

余談ですが、ここら辺は電安法(PSE法。旧電取法)との関係もあるので、特に小規模なメーカーでは非常に難しいところになります。
丸と菱の違い。古い表現だとマルTと三角Tの違い。って電気用品の製造/販売の経験なきゃわからんですね。。
家電製品に関する規制は面白いところがあって、AC100V(いわゆる家庭用の商用電源)を使用する装置は対象になりますが、100V未満の電源を使用する機器には適用されません。
さらに、電源を内蔵した機器は丸のマークの機器となり届出で済みますが、電源出力端子を持つ電源装置そのものは、菱形のマークで製造現場も含めた審査が必要になります。
制度としての本来は審査が前提で、例外が丸なのですが、規制緩和でこうなっており、事実上、菱形のマークを取る必要がある「電源装置」は、ガレージメーカーでは取り扱い(製造/販売)がとても困難なのが現状です。

翻って、12Vの鉛バッテリーって、ぶっちゃけ扱いが難しい、と言うよりかなり危険な代物です。
小型のUPSでさえ(短時間ですが)100Wくらいの負荷は平気で動かせたりしますし、バイク用のバッテリーでも10V100A(1KW)位のクランキング電流が取り出せたりします。
まかり間違って端子間をショートでもさせようものなら、ゴールデンボンバーの溶接パフォーマンス並みの火花ショーが。。
しかもこれで済めばラッキー。最悪119のご厄介になることになります。

ということで、安全第一。
(わらいこっちゃないです。こういうところは。)

部屋の中に設置するので、シールド(完全密閉タイプ)かメンテナンスフリー(ベント穴の無い、液補充とか出来ないタイプ)にします。
今回は、2個\2,500-の格安品があった8Ahのシールドバッテリーを採用。
バッテリーの充放電管理は面倒なので、充電入れっぱなしでも大丈夫なように、ACアダプタで簡易なトリクル充電回路を構成します。

用意したのは、15V1.2Aの秋月ACアダプター2個、6Aのブリッジダイオード2個、3Ω10Wのセメント抵抗2本です。
12V鉛バッテリーのスタンバイ充電(常時充電)電圧は13.8Vなので、15Vのアダプターにダイオードを2個直列に入れて1.2V落とすと13.8Vの出来上がり。
(一般的なダイオードの順方向電圧降下は大体0.6Vです。)
さらにダイオードは充電切ったときの逆流防止にもなって一石二鳥です。
ただし、このまま繋ぐと、ちょっとでもバッテリーの電圧が下がると一気に充電電流が流れてしまうので危険です。
そのため、電流制限用に3Ωの抵抗を入れて、バッテリーの電圧が10.5Vまで(3V)下がってやっと1Aちょっとになるようにしました。
「完全な安全」をみるなら、抵抗値を10Ω以上にして、最悪バッテリー側がショートしてもACアダプタがパンクしないようにしますが、バッテリーの故障モードは通常オープンなことと、10Ωでは充電に時間が掛かりすぎてしまうことから、この値にしました。
後はACアダプタ自身の安全回路に頼ります。w
これを2回路分つくり、メーターとスイッチをつけたケースを作成しました。
バッテリーより、ケース、コネクターのほうが高いという、私的にはありえない豪華仕様。
せっかく、ハンドメイドの特注アンプが来るというので少しがんばっちゃいました。

制作当初の中身。当初と書いてるからには、今とは違うんです。(苦笑)
左が我が家用。右は友人用に作りました。
中身はほとんど同じで、ケースのサイズと電流制限用抵抗の値が少し違う程度です。
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で、3日間ほど充電しっぱなしにしたら、安物テスター読みで13.9Vを超えちゃったので、ショットキーバリアダイオードをひとつ追加。
これで13.75Vあたりで落ち着いてます。