オーディオ全盛期のアンプを修理しよう 2
ということで、サクッと直ってしまった、というか調子が悪かっただけのAU-D607F Extra。
サンスイのアンバランスアンプ最後期(アンバラはこのあと1機種だけ)の音も復活しましたが、なんか消化不良。
何かないかなとヤフオク覗いてたら、初代XバランスのAU-D607Xがジャンクで出ていたので思わず入札したら、落札しちゃいました。
後で見返したら、ジャンクの607にしては若干高めの入札金額だったようです。
状態は、音は出るけど片寄っていると書かれていたものです。
こちらも埃を払ってから動作チェックすると、
・ガリ酷し。
・Phono入力への切り替えでPopノイズが出る。
PhonoだとDCオフセットがすごいのでどこかでDC漏れしてる模様。
・ライン入力時のDCオフセットはなんとか許容範囲。
・音が右寄り。バランスボリュームにはガリはなく、ゲインが小さいか、どこかで減衰してる。
・一部インプットセレクターのランプ切れ
・RCA端子真っ黒。(またかよw)
・スイッチ接触不良。
・スピーカーリレー接触不良。
チェックしてたら左右のバランス直ったり悪くなったりと不安定です。
いろいろ弄ってたら、どうやらスイッチの接触不良が原因の様です。
こちらもボリュームとスイッチを清掃して左右のバランスも直っちゃいました。
サンスイのアンプのDCオフセット、バイアス電流調整はかなりシビアで、POTにドライバー挿して回すと言うより、調整方向にテンションかけてじわ〜〜っとやらないとあっという間に通り過ぎてプロテクションが「カチン」となったりしますが、Xバランス回路はそれがHOT/COLD分あるのに加えて、何回も行き来しないと追い込めません。
しかも今回は、調整してない時に不意にプロテクションが掛かったりします。
これはどこか浮いてるなと基板を追いかけてたら、どうやらドーターボードとメイン基板の接合部分がおかしそうだったので一旦ドーターボードを外して組み付け直しました。
ちなみに、ドーターボードとメイン基板の接合はコネクタではなく、ハンダです。
今じゃ信じられませんが、当時、モレックスのコネクタ不良で各社苦労してたみたいで、部品代の削減と接触不良対策として使われた手法のようです。
これで不意のプロテクション動作は直りました。
ライン入力時のDCオフセット、アイドル電流を調整して再チェック。
ここでは相変わらずPhono入力では出力のDCオフセットが大きくなります。
AU-Dx07Xのフォノイコライザーはそれまでのダイレクトカップリングではなく、カップリングコンデンサ経由の出力になっています。
にもかかわらずオフセットすると言うことは、これはPhonoイコライザーからDCが漏れていると判断。イコライザー回路の出力カップリングコンデンサーを交換して収まりました。
切れていたランプもちょうどぴったりサイズのものを発見して交換。
そのあと、スイッチ類を清掃して修理完了。
サウンドは元気の一言。
Fと比べるとちょっとノイズが多いようです。
バランスアンプになってパワー段の入力インピーダンスが低い事もあってか、F,Gにはなかったプリアンプ(フラットアンプ)が入っていますのでその影響かなと、パワーアンプの入力ショートしたら見事にノイズが無くなりました。
スピーカーに耳近づけないと分からないレベルなので問題はありませんが、そのうち弄っちゃうかも?
バランスアンプなので、無負荷時の消費電力が少し大きめの32Wでした。
ちなみに、Xのフロントパネルはアルミではなく、エンジニアリングプラスティックでした。