McIntosh MC7270

shapeimage_1-18

オーディオ全盛期のアンプを修理しよう7

今回の生け贄はMcIntosh MC7270。
近所の大先輩が家を改築(新築)されて、書斎兼オーディオルームにセットしていて不具合を発見したものです。
不具合箇所は、パワースイッチ。
ノブが空回りして電源が切れません。

ネットで検索すると出てくる出てくる。
ほぼ持病のようですね。

McIntoshはトランジスタアンプでも基本的にアウトプットトランス(トランジスタ版はオートトランス)が載っているので、けたたましく重い。
この子もとにかく重い。
やっとの思いで部屋に入れて、さっそく分解。
分解していくと普通に置いたときに持ち上げるのに指の掛け場所がほとんどなくなり、分解するだけでも一苦労です。
アンプ屋さんがお年を召して体力的に無理とか言い出すのがよくわかります。(苦笑)
img_0300

メインスイッチを見ると、アルプスのロータリースイッチの軸がそのまま空回りしてます。
もう一個の同形状のスイッチは軸がしっかりしてますが、こちらは伸び縮みまでしちゃいます。
ってことは、中でカムが外れてるか欠けてるか。。
おまけにストッパーがなくなってるかな?
スイッチを取り出し、分解すると、案の定、カムが粉々になってました。
シャフトのストッパーになってるはずのスナップリングも見当たりません。
img_0302

ああ。やっぱり。。。

さてどうすべ。

カムは樹脂製。
脱脂して接着しようにも樹脂が収縮しちゃってるのか、ぴったり嵌りません。
しかもクラックが無数に入ってるので、このままくっつけてもすぐに分解しちゃうのは目に見えてます。
代替品っても、ロータリー型のパワースイッチ(5A)なんて今やありません。

って。。
あれ?
5Aってことは、最大500W?
この子、実効出力で270Wx2。その時の消費電力1400Wだよ?
220V地域だとしてもこのスイッチの定格は1100W。。
今じゃ信じられん作りですな。。

そんなこんな色々と考えながらスイッチを眺めること数十分。
おもむろに鋸と金切りばさみとやすりとアルミ板の切れ端を持ってきて工作開始。
シャフトにかぶせるカムを作ってペンチで挟み込み。
ぐらつきがなくなったところで瞬間接着剤流し込んで固定。
img_0305

はい。
元の部品使ったまま、ON/OFFできるようになりました。
やっつけ仕事で回転角とかいい加減ですが、オーナーからは入り切り出来ればいいとの指示を受けていましたので、良しとします。(笑)

電気的にはDC漏れなし&無音時消費電力40W程度ですので、問題なしとしました。

サウンドは分厚いの一言。
やはり昔のJBLなどの乾いた感じのスピーカーやオーバーダンプなスピーカーと組み合わせるにはもってこいな感じです。
逆に最近のスピーカーと組み合わせると少し寝ぼけた感じに聞こえます。
個人的には、入力のアッテネーターボリュームを交換するか外すのと、この時期のMcIntoshらしくオペアンプがいっぱい使われているので、こいつらをどうにかしたいところです。
とはいえ、McIntoshをバリバリの高解像度アンプにするのもどうよ?とも思いますけどね。(笑)

出力や本体の重さの割にヒートシンクが意外と小さいのにびっくり。
実効出力時に、これで800W位放熱させるって難しいと思うんだけどなぁ。。
img_0306

組み立ててウッドケース(オプション品)に入れて完成。