ミリΩの攻防戦
DACとアンプをバッテリー駆動にする際に問題になった、グランドの電圧変動。
既にアンプとDACはバッテリーを分割してるので、 機器間では影響がありません。
(アンプとしては電源電圧変動という問題はありますが。。)
現状問題にはなってないけど、計算では数mV〜10数mVでしたが、実際どのくらいなんだろう。
また、 今後、バッテリーの増強をするとしたらどのくらいがいいのか?
ケーブルや接点の影響をどのくらい考慮する必要があるのか?
などと言うことを考える際に問題になるのが、ケーブル、コネクター、スイッチ、リレーの抵抗値です。カタログ値は見えてますが、実際がとても気になり、測定してみたくなりました。
問題は、抵抗値が低過ぎてテスターでは測れないことです。
測れたとしてもテスター1丁では誤差が大き過ぎます。
そこで登場するのが「定電流」電源です。
あらかじめ測定対象に一定の電流を流しておき、電圧を測ればいいので、テスター1丁に比べれば誤差が非常に小さく済みます。(ここら辺の理屈は、低抵抗の測定 4点測定法などでググってください。)
定電流電源回路というと、最近身近になったLED照明。
パイロットランプなんかのLEDは明るさ適当でいいので、抵抗1本で済ますことが多いですが、ちゃんとした照明には定電流回路が必要なので、LED照明を自作されたりする方にはなじみがあると思います。
今回の回路は、1000円テスターの電圧測定レンジで読める程度の電圧が発生し、作りやすくて使いやすい範囲で考え、100mAにしました。
100mAなら、回路も小さく簡単で済みますし、読んだ電圧を10倍すれば抵抗値になりますので計算も楽です。
ただし、1mΩの桁が100μVオーダーになり、1000円テスターの測定精度(400μV)では4mΩ以上しか測れませんが、基板のグランドラインだけ測るとかではないのと、大体こんなものと分かればいいのでなんとかなるでしょう。
欲を言えば1A流せると電圧がそのまま抵抗値になるのでいいのでしょうけど、回路(レギュレーター、抵抗)の放熱の問題もさることながら、作る際に1000円テスターでは1Aを測定することが出来ません。
回路はLM317を使ったオーソドックスなものです。
(LM317 低抵抗測定とかでググるといろいろ出てきます。)
電源はLXA-OT1付属12V1AのACアダプター。
100均タッパーに入れて出力に100均ワニ口クリップ付けて完成。
早速、バッテリー電源ケーブルの抵抗値を測ってみました。
アンプ用バッテリー端子〜アンプ側キャノンコネクタまで(16AWG アンプ内部配線含まず)
+12V 27mΩ
+0V 26mΩ
-0V 26mΩ
-12V 27mΩ
DAC用バッテリー側キャノンコネクター〜DAC基板供給ポイント(20AWG +-12Vはリレー込み)
+12V 94mΩ
+0V 31mΩ
-0V 46mΩ
-12V 97mΩ
ケーブルが1mあるので、ある程度の値は想定してましたが、思ってたより大きいですね。
いずれもバッテリーの内部抵抗(カタログ値)より大きいです。
このレベルになると、コネクタの接触抵抗、ハンダ付け部の抵抗(合わせて5mΩ前後)もバカにならない値になってきます。w
DACは+0Vと-0Vで随分値が違いますが、消費電力が小さくほぼ一定なのでとりあえず放置です。w
あと、リレーはカタログで100mΩ以下となっていますが、実際には半分の50mΩ程度であることが分かりました。
ただし、今回の測定系にはスイッチがないのですが、別の回路でスイッチの抵抗値を見たら、コネクタ程度(5mΩ前後)でしたので、リレーよりスイッチの方が接触抵抗では圧倒的な高性能と言うことが分かります。