オーディオ全盛期のアンプを修理しよう 6
今度はG Extraの末弟AU-D607G Extraです。
めちゃくちゃ注意事項がいっぱい書いてあったオークション品です。
開始価格で落札しちゃいました。
説明には、
電源入れました
電源ランプが点滅しました
数秒後電源ランプが点灯に変わりました
よって特に問題は感じられませんでした
その他の検査はありません
と書かれていたジャンク品です。
プロテクションが解除されると言う事は、パワー段の回路はおおよそ生きてると考えられます。
早速、スピーカーとワットチェッカーつないでチェックしてみると。。。
電源を入れて数秒待つと無音時の消費電力29Wで落ち着くので問題なし。
そしてスピーカースイッチを入れると、確かにプロテクト解除されつながりますが、
「ぶ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
とド派手なハムノイズが左chから発生します。
平均で0.5V程度。
テスト用のスピーカーが大振幅ですごい事になっています。
ボリュームに連動しないので、パワーアンプ回路の何処かですね。
しかし。。
そもそもジャンクとして出品されてたものなので、ノイズまみれなことに文句はありませんが、
「特に問題は感じられませんでした」と言うくだりはどうなんでしょ。。
「電源入れただけで、音出し検査してない」と言うのもイマイチピンと来ません。
ただし、確証ある話じゃないし、どう書いてあったとしてもノイズがある事実が変わる訳でもないですし、ジャンクは現状優先ですし、これはここまで。
まずは中を診てみるベェ。
内部はちょっとホコリと砂が多いかな。
みた感じ、焼けてる部品はありません。
ケミコンの膨張お漏らしもありません。
ダイアモンド差動回路付近をいじるとノイズが変化します。
ここ?
それにしてはDC電圧はどこも正常。
差動回路がおかしかったら、バランスが狂うはずだし。。
電源のリップルもみましたが、ほとんど乗ってません。
電源じゃないとしたらグランドか。。
G Extraのパワー段は、グランドの取り回しが一般的なアンプと比べてずいぶん変わっているのを思い出し、グランド周りの導通をチェックしてたら、左chのグランドラインが、シャーシからほぼ完全に浮いていました。(右chは10Ω)
と言う事はここだ。
この抵抗、707G Extraで交換されていたところと一緒です。
もしかしたら、G Extraは、ここが壊れやすいのかな?
さくっと交換
はい。これだけで完治。
707を修理した時に予備にもう一揃え買っておいたのが役に立ちました。
そのあとは、いつものコースで、ボリューム類の分解清掃(ガリとり)と、アイドリング/DCオフセットの調整、バネル、キャビネット、つまみ、RCAジャックのクリーニング。
707Gも並べてヒートアップして比較してみました。
一言で言うと、607は元気で707は上品。
DC、SEPP、 ダイアモンド差動、スーパーフィードフォワード、MCトランス、グランドフロートと進化してきた山水のアンバランスアンプ最終形態。
どちらもパワーアンプは同じ回路です。部品と電源電圧が違うだけで、生き生きとした演奏を聴かせてくれると言う傾向は一緒ですが、細かいところが結構違うのが面白いです。