ビニール増殖中
我が家のアナログ再生環境が完成した今、(完成と言っても、イコライザーのフロントパネルは相変わらずまだ未着手ですが)問題となるのが「ビニールの円盤」です。
メーカー勤務時代に「もうアナログには戻らない」と心に誓い、手持ちのレコードのほとんどを友人にあげちゃったため、手元に残ってるのは20枚もありませんでした。
買うにしても、レコード協会の統計を見てみると。。
http://www.riaj.or.jp/data/quantity/
レコードは、1976年(昭和51年)に年間2億枚弱もの販売があったのが、今や年間50万枚も売れてません。2009年、2010年なんて10万枚。
サバ読んで年間50万枚としても最盛期の0.25%しかありません。
しかも、需要のほとんどが「皿回し」(DJ向け)ではないかと思われるフシもあり、もはやとんでもなくニッチな世界になっています。
(最近はDJもほとんどがデジタルのようですが。。)
つまり、一般的には、レコードの新譜は、ほぼ期待できない状態。
まあ、仮に、いくら市場が大きかったところで個人的には「プアオーディオ」趣味。
105円CDに一喜一憂してるくらいで、そもそも新譜なんてそうそう買えないわけですが。。
また、別な理由で、CDだろうがハイレゾだろうが、最近の楽曲の新譜自体に期待が持てない面もありますが、これはまた改めて。
で、勢い、中古を買うことになるわけですが、ブックオフの105円CDに馴染んだ体には中古のレコードで1000円オーバーとかはキツイ。
ということで、例によってハードオフのジャンクコーナーの出番です。
店舗によって状況が異なる様ですが、隣の区にある、私の行きつけの店では、アナログレコード、レーザーディスクはハードオフの扱いで、かつ全部ジャンク扱いの1タイトル105円。
(同じ区にある別の店舗では、通常価格の中古レコードと、ジャンクレコードが分かれており、ジャンクでも2枚組は210円だったりしてます。)
これを活用するしかありません。
行きつけの店では、全部がジャンク扱いなこともあり、床に直置きした段ボールやら衣装ケースやらに無造作に入ってます。
しかもDJ系の方の出入りも多いようで、上向きに口が開いた状態なのが多いのが特徴。
まあ、モノは試しにと10枚くらい買ってきてチェックしましたが、今更ジャンクで残ってる商品ですので、外れの確率がかなり高めです。
CDのあたりはずれは、ほぼ好みに「合う合わない」の2択ですが、レコードは、「好き嫌いとコンディションの掛け算」になるので、当たり1に、外れ3くらいのイメージです。
レコードは、針が溝に直接接触して辿った形の信号が出力されるので、メンテナンスが重要です。
しかし、買ってきたものは、上に書いたような展示状態でしたから、盤面の状態はザラザラだったりして、そのままプレーヤーに乗せるのも憚られる状態なのがあります。
そこで、過去の知識やwebの情報をもとに、クリーニングにチャレンジしてみたところ、成果が得られましたのでご紹介します。
なお、一応お断りしておきますが、「効果は個人の感想」です。
同じ結果は担保できません。
試される場合は、自己責任にてお願いします。
特に、洗いの工程には、レーベルの色落ち、はがれなどのリスクがあります。
また、汚れの程度、質、施工方法によっては却って傷をつける可能性もあります。
1:水洗い
盤面がザラザラな場合は、まず水道の流水で大まか流し、ざっくり水を切ます。
2:電解水で汚れ取り
電解水は、油脂、たんぱく質の汚れを溶かし、界面活性の効果も期待ができます。
盤面にアルカリ電解水をスプレーし、目と毛先の細かい、やわらかいブラシで汚れを落とします。
電解水は「水の激落ちくん」系の強アルカリ性タイプです。
ブラシはデンターシステマを推奨されている方もいらっしゃいますが、私は、塗装用の刷毛(毛先が細まっているタイプ)と熊野筆タイプの洗顔ブラシを使用。
ちなみに、100円ショップの刷毛は毛先が細くないのでダメでした。
ブラシを溝に沿って、回転に逆らう様に差し込む感じで、汚れを刮ぎ取る様な要領でブラッシングします。
電解水が盤面に馴染んでテラテラになり、毛先に引っかかりが感じられなくなるまでやります。
終わったら流水ですすぎ、100円ショップのセルローススポンジで軽く水を切ります。
液が付いたまま乾くと、液のアルカリと空気が反応して出来る析出物が盤面についちゃうので、さっさと作業します。
3:中性洗剤で洗う
中性洗剤は、強力な界面活性効果で汚れと盤面の間に潜り込み、汚れを剥がし易くします。
お皿に水をはり、中性洗剤を入れ、薄めておきます。
こちらもブラシを使って同じように溝に沿ってブラッシングします。
ブラシは、電解水で使うのとは別に用意します。
泡がたってもかまいません。
洗ったら、流水でよくすすぎ、セルローススポンジで軽くなでて水を切ります。
4:アルコール雑巾(おしぼり)で磨く
きれいなタオル、雑巾(おしぼり)、エタノールを用意します。
エタノールは、消毒用で構いません。水とアルコール以外の添加剤のないやつがよいようです。
雑巾(おしぼり)は、使い古しをきれいに洗った木綿タオルのものやマイクロファイバーのものを適当に使い分けています。最近は100円ショップのマイクロファイバーの出番が多いです。
テーブルにタオルを敷き、レコードを載せ、雑巾(おしぼり)にアルコールを絞って垂れない程度まで湿らせて、溝に沿って磨きます。
こちらも手のひらで強めに抑えながら、汚れをふき取るイメージです。
(なでつけるような感じではダメです)
続いて、生乾き(アルコールでほんの少し湿らせてもいいです)の雑巾(おしぼり)で同じように磨きます。
この工程の最後は、乾いたマイクロファイバーおしぼりで拭きあげです。
5:レコードクリーナーで拭いて、針を落とす
プレーヤーにセットし、ベルベットクリーナーで拭いて、針を落としてレコードを掛けます。
ここまで磨いたレコードは、ベルベットクリーナーの引っ掛かりがほとんどありません。
この工程でレコードを掛けるのは、ノイズのチェックと、最後の汚れ落としと、レーベルの乾燥時間を取るためです。
6:終わったらお片付け
汚れや破れのあるインナージャケットは新品に交換します。
実際の作業は、盤面の状態をみて、どの工程から作業するか決めます。
1〜4の工程を経てもなお、針にカスがつくものもありますので、溝の汚れってなかなか取れないもののようです。
ジャンクレコードのメンテナンス方法が確立したところで、神保町の中古レコード店のお買い得情報が飛び込んできました。どうやら閉店セールの模様。。
https://twitter.com/TurntableTokyo
「特価LP400円が100円」につられてお店を訪ねたら、とてもきれいに管理、包装されています。
勢いで3日間通ってLPを60枚くらい買ってきちゃったので、ハードオフのジャンク含めて中古が100枚以上になりましたが、クリーニングが追い付きません。
で、ハードオフでジャンクのDJ用ターンテーブル(¥735)をゲットしてきました。
見かけはボロボロですが、ちゃんと回ります。
DJ用を選んできたのは、作業に使うため、頑丈さと回転トルクを求めてのことです。
オーディオ用の数百円ジャンクは、フルオートのミニコン用がほとんどで、華奢だしトルクないしで、力を掛ける作業には適しません。その点、DJ用はもともとターンテーブルに余計な力がかかることが前提ですのでうってつけです。w
ただ、流石にこの1,000円以下のジャンクは、このまま使うには少々汚れが過ぎるし、猫だか犬だかの毛だらけでしたので、一通り分解清掃してクリーニング作業台の完成。
ターンテーブルマットは、100円ショップのスポンジマット(30cmX30cm)を適当に切ったものです。色が派手なのは、たまたまこれしかなかっただけで、意味はありません。
これで、上記2、3の工程がとても効率的になりました。
特に、2の電解水洗い工程をしつこくやると、効果が大きいようです。
パッと見きれいなのにプチパチが酷く、にっちもさっちもいかなかった、さだまさしのライブ盤が蘇りました。
毎晩4枚くらい掃除してますが、このペースだと一通り掃除するのに1ヶ月以上掛かりそうです。w